インターネット上でよく目にする、
"Fコードは初心者の壁"
というワード。
結論から申し上げると、実はこれ簡単に乗り越えられます。
"なぜ多くの人がFコードで挫折するのか"
その理由は以下の2つです。
①安価なギターはナットの溝処理が非常に雑なため(特に海外製)
②人差し指で1フレット全ての弦を押さえるのがFコードと認識されているため
まずは①について解説します。

ナットとは右の画像の弦が溝に埋まっている部分の白いパーツです。
ここの溝の深さはギターの弦高を決める非常に繊細で重要なパーツです。
溝が深すぎるとフレットと弦が当たってしまい使い物にならず、溝が浅すぎるとフレットと弦の距離が遠すぎて指の力がかなり必要で弾きにくくなります。
海外の誰もが知っている某超有名ブランドでは、このナットの溝を掘る作業をパートのおばちゃんたちがやっていることもあるそうです。
溝を深く掘りすぎると使い物にならなくなり、ナットのパーツを1つ無駄にしてしまうので、マージンをとりかなり浅めに掘るんです。
ナットと1フレットの距離は非常に近いので、物理的に弦を押さえるのが大変ですよね。
そしてFコードはこれを人差し指で全部の弦押さえます。
はっきり言って無謀です。
握力が60くらいないと物理的に厳しいのではないでしょうか。
ですので "なぜ多くの人がFコードで挫折するのか" の理由①については弾く人に問題があるわけではなく、物理的に厳しいことが多いのです。
次に②についてです。

Fコードというのは
「ファ・ラ・ド」
の3つの音が鳴っていれば成立します。
にも関わらず人差し指で全て押さえる形だとファの音が3つ、ドの音が2つも鳴っているんですね。
さらに赤丸の部分、1フレットの5・4・3弦については音が鳴っていないんです、せっかく頑張って押さえているのに。。。
一般的にこのFコードの押さえ方が広く普及され多くの人に認識されていることが"Fコードは初心者の壁"といわれる原因だと考えています。
以上が2つの理由です。
さて、結論の乗り越える方法ですが、画像のFコード(簡易)のやりかたを試してみてください。
人差しド・中指でラ・薬指でファを押さえ、1・5・6弦は弾きません。
1弦を人差し指で全て押さえる必要はなく、そもそもそのような押さえ方が要求される機会はかなり少ないです。
ロックであればパワーコード、ジャズであれば省略コードが主流で、同じ音を何個も鳴らすバレーコードはコードが濁るんです。
もちろんレコーディングで低音〜高音の幅広い音域で音の壁を作りたい場合など、必要な場面もありますが、まずはFコードを弾けることが大事ですので、後回しで構いません。
画像のように2・3・4弦の3音だけ鳴らす形のFコードで十分なんです。
他にもCコードに移行しやすいなどのメリットもありますね。
Fコードだけでなく、全てのコードにこのような理論が当てはまります。
もし押さえられないコードに出会ったら、他の押さえ方を考えてみると実は簡単だったりします。
そしてこの考え方は、ゆくゆくアドリブなどにも活きていきますので是非お試しください。
それでは。
Guitar School Byh 石原